
William Friedkin(ウィリアム・フリードキン)監督による1973年公開(日本は1974年公開)の映画、“The Exorcist(エクソシスト)”はオイラ的には間違いなく映画史上の傑作の一つに数えられるべき作品でございまっす。
な、何で???と思わるる方もいらっしゃるでせうが、オイラはこの映画を単なるオカルト映画とは思っておらず、非常に重厚な人間ドラマと捉えておるからでっす。
フリードキンはドキュメンタリー監督出身ということもあって、この一見すると荒唐無稽なストーリーが妙に現実的に描かれ、表現も容赦なく、それ故にラストのカタルシスに至ると思わずグッときてしまう・・・。
フリードキン監督は1971年公開(日本は1972年公開)の前作、“The French Connection(フレンチ・コネクション)”でアカデミー賞を総なめにしたスンバラシイ監督でっすから、当然B級ホラー映画になるはずがない訳でっすよ。
原作はWilliam Peter Blatty(ウィリアム・ピーター・ブラッティ)が1971年に発表した小説で、この映画では脚本も担当されちょりまっす。原作小説もスンバラシイでっす。
日本ではこの映画を期にいわゆる空前のオカルトブームとなりまっした。ちなみにアカデミー賞では脚色賞、音響賞を受賞しちょりまっす。
とは言え、映画中盤から後半にかけてかなりエグいシーンが怒涛のように展開されまっすので、万人にもれなくオススメするのは気が引けるというのも事実でっすけどね・・・。
さて、以前書いたことがありまっすが、オイラは小学生時代は心霊・オカルト関係が超苦手でございまっして、当時、夏になるとテレビでよく放送された心霊番組なんか絶対観られなかったっす。でっすから、当然ながら“エクソシスト”はリアルタイムでは観ておりまっせん。
初見は今もって理由は不明なのでっすが、中学生になってからなぜか心霊・オカルト関係が全く大丈夫になってしまった頃で間違いなくテレビ放映ででした。で、えらく感動してもうたオイラは立て続けにウィリアム・ピーター・ブラッティの原作小説も読んだのな。
その後、ビデオ、DVDで鑑賞し続け、現在は2000年に発表されたディレクターズ・カット版のBlu-rayを年イチで堪能しているっす。
余談でっすが、オイラがガキンチョの頃は今で言うところのレイティングは無かったっすな。(た、多分・・・。記憶にない・・・。あ、もちろん、日活ロマンポルノはだめっすよ)ちなみに現在、“エクソシスト”は日本ではR15指定となっちょる。まぁ、これは妥当かと思わるる・・・。
これから観てみようかなという大人の方にはオリジナル劇場版とディレクターズ・カット版のどちらがオススメでせうか?という事になりまっすが、オイラは圧倒的にディレクターズ・カット版をオススメするっす。(やっぱりあの伝説の“スパイダーウォーク”のシーンが無いとね)
また、旧愚ブログで“エクソシスト”のサントラの事を書きまっしたが、ここに再掲いたしまっす。
DVD特典に収録されているフリードキン監督のインタビューで音楽は当初、今や大巨匠でありまっすが、当時は新進気鋭の作曲家だったLalo Schifrin(ラロ・シフリン)に依頼したそうでっす。
が、デモテープを聴いたフリードキン監督は気に入らず、「こんなストラヴィンスキーもどきの音楽はいらんのぢゃあっ!」と激怒して本人の目の前でテープをメチャクチャに破壊したそうでっす・・・。(おいおい)
んで結局、既存の現代作品(特に前衛作品)をサウンドトラックとして使用したのでっすが、これは結果的にオイラは大成功だったと思いまっす。もうね、選曲がスンバラシイっ!
使用された作品は以下のとおりでっす。
- Anton Webern(アントン・ウェーベルン)/Five Pieces For Orchestra(管弦楽のための5つの小品Op.10)
 - Krzysztof Penderecki(クシシュトフ・ペンデレツキ)/Polymorphia(多重人格)
 - Krzysztof Penderecki(クシシュトフ・ペンデレツキ)/String Quartet No. 1(弦楽四重奏曲No.1)
 - Harry Bee(ハリー・ビー)/Beginnings From “The Wind Harp”(ウインドハープ)
 - George Crum(ジョージ・クラム)/Night of the Electric Insects(ナイト・オブ・ジ・エレクトリック・インセクツ)
 - Krzysztof Penderecki(クシシュトフ・ペンデレツキ)/Kanon For Orchestra And Tape(オーケストラとテープのためのカノン)
 - Mike Oldfield(マイク・オールドフィールド)/Tubular Bells(チューブラー・ベルズ)
 - Hans Werner Henze(ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ)/Fantasia For Strings(弦楽のためのファンタジー~第4楽章)
 
マイク・オールドフィールドの“チューブラー・ベルズ”はほとんどテーマ曲のようになっちょりまっすね。誰もが一度は聴いたことがあるんぢゃなかろか?(このあたりのゴタゴタはWikiをご参照下され)
オイラは個人的にエンディングに使用されているハンス・ヴェルナー・ヘンツェの“弦楽のためのファンタジー~第4楽章”が大好きでありんす。
ご多分に漏れず続編やTVドラマ版なども製作されちょりまっすが、この第1作を超えることは今後も無かろうかと思いまする。

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