
今朝、山下和仁さんの訃報に接し、未だ茫然自失としております・・・。
私は旧愚ブログ、現愚ブログにおいてたびたび山下和仁さんの事を書きましたけど、それは単純に学生時代からの熱狂的な大ファンであり、最もリスペクトしているギタリスト、音楽家だったからであります。
今こうして過去形で語らなければならないのは非常に切ないのですが、私の中では一つの歴史が幕を閉じてしまった感を犇々と感じております。
山下さんとはこの仕事に就いてから何度かお会いしたり、お電話でお話をした経験がございますが、最も印象深い記憶は初めてお会いした時の事でございます。
これは旧愚ブログに書いた記憶がございますが、山下さんを偲ぶ意味で今一度書こうと思います。
1991年に山下さんは初めてのギター小品集によるアルバム、“鳥の歌/小品集”をリリースされました。
ファンの方はご存知の通り、同年にほぼ同内容のLD(レーザーディスク)もリリースされ、2006年にはDVD化もされました。山下さんのソロ演奏による唯一の映像作品でございます。
このアルバムは1991年の6月に録音されて9月にリリースされているのですが、このアルバムの録音前の選曲段階の折にうちのお店に山下さんが楽譜を探しにご来店された際に初めてお会いしました。
前述の通り、私は学生時代から山下さんの大ファンでしたから、突然目の前に神が降臨したような感覚に陥り、緊張のあまり恥ずかしながらご挨拶がシドロモドロになってしまいました・・・。
しかも、入社して間もない頃で楽譜に対する知識も恥ずかしいくらい拙く、緊張の上に緊張を重ねて身の内が震えましたのを今でも良く覚えております。
ですが、山下さんはそんな私にも独特の柔らかく優しいお声で気軽に話しかけて下さり、若干、緊張がほぐれたところでお話をしたり、一緒に楽譜を探したりして私にとっては誠に至福の時を過ごす事が出来ました。
以来、折に触れてお電話を下さったり、ある時はアメリカでの演奏旅行を終えた後にご来店され、愛用されているホセ・ラミレスを光栄にも弾かせていただいたりしました。(マシンヘッドの調整依頼も兼ねて)
これを書いていて、当時の光景がありありと蘇ってまいりました・・・。
近年は“孤高のギタリスト”と評されることが多く、所謂、ギター業界とは一線を画す活動が多かったですが、“ギタリスト・山下和仁”の存在は明らかに山下さん以降の国内外のクラシック・ギタリストの特に演奏技術面での向上を大きく飛躍させ、好みは分かれると思いますが、クラシック・ギターにおける演奏表現の可能性を更に深めた功績は余りにも偉大だと思います。
誤解を恐れずに申せば、今後、クラシック・ギターの世界、もしくは他ジャンルのギターの世界においても山下さんを超えるようなインパクトを持ち、それまでの常識を遥かに覆すようなギタリストは現れないかと思います。
64歳という若さでの旅立ちは余りにも早すぎますが、こればかりは致し方ありません。
唯一の救いは、この稀代の音楽家と同時代を生き、その類稀なギター演奏を実際に聴くことが出来、素晴らしい音楽の時間を共有出来たことでありましょう。
私は一生、山下さんを忘れることはないでしょう。あなたに出会えて幸福でした。あらためて哀悼の意を表します。安らかに。

山下和仁さんの早すぎる死。なかなか
信じられません。
今後これほどのギタリスト兼音楽家は
現れない、とボクも思います。
ご冥福を心よりお祈りします。
やぎりんさん
コメントをいただき誠にありがとうございます。
山下さんの訃報はまさに青天の霹靂でありまして、今しばらくは山下ロスが続きそうです。
仰るとおり、今後これほどのギタリストは現れないかもしれません。同時代に生きて直に演奏を聴けたのは我が人生における僥倖でした。