“ロマンス”と“ロマン”は似て非なるもの也
こんにちは、ロマン派時代に生まれてみたかったオレサマでっす。(い、いや・・・何でもないです・・・)
さて、旧愚ブログでも書いたことがございまっすが、冒頭の映画史上不朽の名作、“Jeux interdits(禁じられた遊び)”。
この映画のテーマ曲である“ロマンス”は、今でもクラシック・ギターを始めた方が一度は演奏する定番人気作品でございましょう。かく言うオイラもそうでっした。
この実に愛らしくも物悲しい旋律の小品の影響もあって昭和40年代前半、日本は空前のクラシック・ギター・ブームが巻き起こったそうで(※オイラはまだ赤ん坊だったので知りもはん)、うちの先代に生前聞いたのでっすが、ギターの生産が間に合わぬくらい凄まじかったそうでございまっする。今ぢゃ考えられんわな・・・。(悲哀)
で、皆様ご存知のとおりこの曲は長年に渡って“作者不詳”、もしくは“スペイン民謡”の“ロマンス”、“愛のロマンス”、もしくは映画そのもののタイトルである“禁じられた遊び”の通り名(曲名)で呼ばれておりまっしたね。
でっすが、現在はスペイン出身1のギタリスト、Antonio Rubira(アントニオ・ルビーラ、1821? or 1825? -1900?)の作曲による“Estudio(エチュード)”であるという事実が定着しておりまっす。2
が、余りにも長い期間にわたって俗称が遍く知れ渡ってしまったので、CDやコンサートのプログラムには“アントニオ・ルビーラ作曲/エチュード(ロマンス)”と書かれることが多いかもしれまっせん。
ちなみにアントニオ・ルビーラの自筆譜はこんな感じでっす。
一般的に知られているものとメロディーは全く同じでっすが、アルペジョの音型、バス音に若干の差異が認められまっす。オイラは現在、この曲はこのオリジナル版で演奏していまっす。
さてさて、クラシック・ギターを長年弾いていらっしゃる方でしたら、この曲は目を瞑っても弾ける方も多かろうと思われまっす。
なので、飽きて(?)しまってこの曲を弾かなくなってしまった方もいらっしゃるるかも知れぬ。
そんな善男善女にオススメしたいのはオイラが尊敬するチェコの変態マエストロ(良い意味でね)、Štěpán Rak(シテパン・ラック)先生のバージョンでございまっする。
動画もあるよ。
一聴してお分かりのとおり、最初は通常の“ロマンス”が奏でられているようでいて原曲にはないバス音が取り入れられていたり、中盤から後半はラック先生お得意の逆指パターンによるトレモロ運指による変態的パッセージへと変化して行きまっす。


逆指パターンによるトレモロ運指は最初は相当難しいでっす。ですが、極めまっすと復弦トリルや通常のトレモロがめちゃくちゃ簡単に弾けるようになりまっす。(多分・・・)
譜例を載せたのはいいのでっすが、この楽譜の出版経緯は不明でござる。(出版社名等の表示が付されていないので)
弾いてみようという善男善女に楽譜を捧げまっする。(録音、演奏とは違う部分もござる)
Antonio Rubira(アントニオ・ルビーラ)~Štěpán Rak(シテパン・ラック)作編曲/Romanza(ロマンス)(PDF)
【追記】
ラック先生の更に別バージョンの演奏。
脚注
- 偶然にもこの曲を全世界に知らしめることになったナルシソ・イエペスと同郷。
- 詳細は手塚健旨先生の名著、“ギター名曲ミステリー”をご参照なされたし。


コメント