ええ、オイラは奇跡なんてものはてんで信じておりまっせんけど、何と申しましょうか、長く生きておりまっすと時に奇跡的な偶然に出くわすことがございますな。
2022年8月13日に“衝撃的シャコンヌ”というタイトルで北アイルランド出身のギタリスト、Alan Mearns(アラン・マーンズ)さんのギターソロ・アレンジによる衝撃的で素晴らしすぎるJ.S.バッハの“シャコンヌ”をご紹介したわけでっすが、昨日は公休だったのでYouTube三昧な一日を送り、たまたまアランさんの別の“シャコンヌ”演奏動画を発見伝っ!
それが冒頭の動画なんでっすけど、これはメリケンの有名な“Guitar Salon International”のYouTubeチャンネルで公開されている演奏なのでっすが、アランさんが演奏しているギターはあのJulian Bream(ジュリアン・ブリーム)が所有していたドイツの歴史的名工、Hermann Hauser I(ヘルマン・ハウザー1世、1882-1952)が1928年に製作したギターでございまっす。
程よく枯れていてええ音でっすねぇ。
で、動画冒頭の楽器紹介部分

を観たオイラはクリビツテンギョウしたのであった・・・。
ヘッドに“JAB”というエンブレムが埋め込まれておりまっすね。
ジュリアン・ブリームのフルネームは“Julian Alexander Bream”でございまっして、つまり、イニシャルを埋め込むほど大切にしていたギターなのでございまっす。(ちなみにこのエンブレムは純銀製でありまっす)
ブリーム大先生はある時期、とある事情でこの楽器を手放したのでございまっするが、これの何にオイラがクリビツしたのかと言うと、このギターは巡り巡って2004年にうちの店に入荷した楽器なのでございまっす。
昔、毎月発行していたDMの2004年12月号・No.412で紹介をしておりまっす。

ここに書いてある通り、ジュリアン・ブリーム自身による証明書も付属しておりまっした。
この楽器はそれから程なくして、某楽器問屋に販売したのでっすが、その後、この楽器はメリケンに渡ったと聞いてはいたのでっすが、まさか21年の時を経てYouTube動画で再見することになろうとは夢にも思わなんだ・・・。
いやはや、こんなこともあるんだねぇ。
【追記】
アランさんはIsaac Albéniz(イサーク・アルベニス)のピアノ作品、“La vega(草原)”のアレンジも、このギターで演奏されちょりまっす。
ムイ・ビエンっ!

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