外が(現在17:45)妙に生暖かいでっす。ほんとに明日は最高気温20℃(東京)まで低くなるのでせうか?超暑がり体質のオイラにしてみると大歓迎なのでっすがね。
さて、冒頭の動画はアルゼンチン出身の大変優れたリュート奏者、ビウエラ奏者、バロック・ギター奏者、Evangelina Mascardi(エバンヘリーナ・マスカルディ)のバロック・リュートによるJ.S.バッハの“Partita C-moll BWV 997(パルティータ ハ短調 BWV997)”、クラギの世界では俗に“リュート組曲No.2 BWV997”としてお馴染みの第1曲、“プレリュード”の演奏でっす。
いやぁ~、イイね。
せっかくなので、復元されたLautenwerk(ラウテンヴェルク)による演奏音源もどうぞ。
いやぁ~、イイね part2。
J.S.バッハのお弟子さんであったJohann Friedrich Agricola(ヨハン・フリードリヒ・アグリコーラ)による鍵盤二段譜写本はこんな感じでっす。
原調はCm(ハ短調)でございまっす。
ギターアレンジでは大昔からAm(イ短調)に移調して演奏されるのが慣例化しておりまっすね。
メリケンの若きギタリスト、Laurel Harned(ローレル・ハーネッド)のAm(イ短調)による“プレリュード”演奏動画をどうぞ。
ギターの場合、Am(イ短調)でも頗る美しいのでっすが、近年ではバッハ作品に限らずアレンジものは可能な限り原調で弾こう!という傾向がございまっする。
所謂、バロック時代は現代ピッチのA≒440(もしくは442)よりも半音低いA≒415が一般的だったという事を鑑みまっすと、現代ピッチを基準にした場合、ハ短調は音律的には半音低いBm(ロ短調)の響きになるということになりまっす。
なのでもし、ギターでBm(ロ短調)の響きにしたい場合はAm(イ短調)のアレンジをCapo.2で弾けば実現出来まっする。
ボスニア・ヘルツェゴビナの名手、Sanel Redžić(サネル・レジッチ)のAm(イ短調)アレンジ ~Capo.2による演奏動画をどうぞ。
いやいや、現代ピッチのCm(ハ短調)の響きでもええのんぢゃ!、という場合はCapo.3で弾けば実現出来まっする。
巨匠、David Russell(デイヴィット・ラッセル)のAm(イ短調)アレンジ~Capo.3による演奏動画をどうぞ。
とは言え、6弦ギターでは原曲のバス音はオリジナル通りには弾けませぬ。(オクターヴ上げるしかねな)
バス音も原曲通り&原調で弾きたいんぢゃっ!、と言う場合はスウェーデンの名手、Göran Söllscher (イェラン・セルシェル)のように11弦ギターで弾くしかねぇっすな。1
“BWV997”の“サラバンド”の演奏動画をどうぞ。
とは言え、11弦ギターはひと頃、セルシェルさんの影響で所有する方が多かったでっすが、多弦ギター離れの昨今では正直一般的ではござらぬ。
で、オイラが最もオススメしたい6弦ギターアレンジはドイツのバッハ研究家としても知られ、所謂、J.S.バッハの4つの“リュート組曲”の全てを6弦ギターで原調による録音をした最初のギタリストである、Ansgar Krause(アンスガー・クラウゼ)のものでっす。
楽譜をご覧いただくと一目瞭然でっすが、クラウゼ先生はまずこの曲をBm(ロ短調)でアレンジされちょりまっす。
つまり、このまま演奏すればA≒415のバロック・ピッチでのCm(ハ短調)と同じ音律になりまっす。
更に楽譜を良く見ていただきまっすと、Capo.1の指定がござる。
そうでっす!
Capo.1でこのBm(ロ短調)アレンジを弾きまっすと、A≒440の現代ピッチでのCm(ハ短調)の響きを実現出来るのでありまっす。
メリケン出身のドイツ人ギタリスト、Franz Halász(フランツ・ハラース)の“プレリュード”の演奏音源をどうぞ。こちらはCapo.1で録音されちょる。
オイラが知る限り、BWV997のモダンピッチにもバロックピッチにも原調対応したハイブリットなアレンジはクラウゼ先生のものが唯一かと思われまっす。
あ、勿論、前述した通り6弦ギター用のアレンジでっすので、パッセージによってはバス音を1オクターヴ上で演奏しなければなりまっせんが。
このアレンジに興味のある方。
楽譜はドイツの老舗、ドイツのBreitkopf & Härtelから出版されておりまっす。
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