
うちのお店も今日で今年の営業は終了でっす。
長かった・・・。でも、あっという間ぢゃった・・・。いや、どっちなんだよ・・・。いずれにしろ、明日からはダラダラと過ごしまっす。
さて先日、この愚ブログをご覧いただいたご奇特過ぎる方から
Luziaさんはよく譜例を載せられていまっすが、
耳コピはどういう方法でやられているのでせうか?
というお問合せをいただきもした。
この件に関しては旧愚ブログでも書いたのでっすが、今一度オイラの耳コピ、つまりは採譜遍歴を再掲しておきまっする。
現愚ブログでもちらっと書きまっしたが、オイラが生まれて初めて採譜という行為をしたのは大学のギター部時代でござんす。
入部と同時にそれまで弾いたことのないフラメンコ・ギターを弾くことを命じられたオイラなのでっすが、2年生に進級してその年の定演で演奏する曲を決めなければならなくなった時、弾きたいと思うた曲の一つがパコのグラナイーナス、“Reflejo de luna(邦題:月に映えて)”でっした。
オイラは当時も今も、ギターに関してはお教室に通ったことがござらぬ完全なる独学者でありまっして、しかも、当然ながらパコは楽譜を書きまっせぬので弾きたいと思った曲は採譜するしかなかったのっす・・・。
当時はパコはもちろん、他のフラメンコ・ギタリストの作品も採譜された曲集というのはほとんどありまっせんでした。
お教室に通っていれば先生に採譜をしていただくということが可能でっすが(もちろん、謝礼をしてな)、オイラは教室通いってぇのがあまり好きぢゃなかったので、しょうがなく始めたっていう感じでっしたな。
オイラは現在も相対音感しかござらぬ。絶対音感があれば少しは楽だったかもしれぬ。
で、採譜をしようと心に決めたのは良いのでっすが、まんずまんずやり方が分からぬ・・・。
なので、初期はポータブルCDプレイヤーの巻き戻し&早送りボタンを連打し、音の残像を脳ミソに刻みつけつつ牛歩の如きスピードで採譜をしておりまっした。
更には音楽理論なるものは全くやっていなかったので、取り敢えず拾った音を調号など関係なく無理やりメモ程度の譜面に書き起こしておりまっした・・・。拍子も今思えばメチャクチャだったと思いまっす。
こんなやり方をしていまっしたから、CDプレイヤーは3台ぶっ壊したっすなぁ。
そんなこんなで大学を卒業し、現在勤務している楽器店に入社したのでござんすが、国内外のギターや古楽の楽譜担当者となり、お客人の様々なご要望にお応えするには音楽理論を勉強せねばならず、幸い同期が音大出の才媛だったので色々ご指導いただいてようやくまともに楽曲の分析、浄書等が出来るようになったという体たらくでっす。
この頃、楽譜に関する知識が増えるにつれ、フラメンコに限らずクラシック・ギターの音源はあるけど未出版という作品の採譜&浄書という行為にのめり込んでいきんした。
とは言え、例えばパコの神速ピカードなんかを採譜するのはこの頃も大変ではござんした。
そんなある日、今は無き赤井電機(AKAI)から商品名は失念いたしまっしたが、CD音源をサンプリングしてピッチを変えることなく半速以上で再生可能という画期的なブツが発売されたのな。
これは当時、とても革命的な商品でござんした。特に再生速度を替えてもピッチが変化しないっていうのはそれまでは考えられんかったのさ。
が、難点もありまっして、再生速度が遅くなればなるほどサンプリング音源がもの凄く歪んでまうの・・・。
でも、このブツには結構お世話になったっす。
そんなこんなで気がついてみれば世の中にPCが普及し、採譜に関するソフトなんかもフリーソフト、有償ソフトで様々なものが登場。
で、オイラが現在も使用しているのは元々、iPod用に開発され、現在はiPhone、iPadでも使用可能な冒頭写真のアプリ、“mimiCopy”でございまんするす。
このアプリは特にギター弾きに特化してるので、痒いところに手が届く実にナイスなアプリざんす。オススメっす。
オイラは並行してYouTubeも活用しておりんす。
皆様ご存知のとおり、本家のプレイヤーは再生速度を細かく設定出来るぢゃねぇですか。

音はもちろん、指使いや押弦ポジションもじっくり観られまっすので、より精確な採譜が可能となりんしたな。
大学時代にYouTubeがあって、この動画を観られたらなぁ・・・。
CDプレイヤーを破壊せずに済んだだろうなぁ・・・。
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