ここ最近、芸人、俳優、映画監督、映画関係者に関する評伝ばかりを貪り読んでいまっす。
やっぱりね、今と昔は全然違いまっす。熱度が。忌憚なく言えば、良い悪いは別にして圧倒的に昔の方々の方がすんごい。
もちろん、現在もスンバラシイ芸、スンバラシイ演技、スンバラシイ映画が作られちょりまっすが、なんか昭和のあの頃と違うんだよなぁ・・・。
再読ではありんすが今、春日太一先生の“仲代達矢が語る日本映画黄金時代 完全版”を拝読しちょるんでっすが、いやはや、面白いでっす。
仲代さんは現在90歳でバリバリ現役でっすからね。土下寝で大尊敬でっす。
ちなみに仲代さんが出演された膨大な映画の中で、最高傑作を1本だけ挙げなければならないとしたら、小林正樹監督の1962年公開作品、“切腹”とのことでっす。
これはオイラも観まっしたが、納得でっす。もう今の日本ではこういう映画は作れぬだろうな・・・。
さて、フラメンコの世界では俗に“Solea(ソレア)”は“フラメンコの母”と称される大変格調高い、かなり重要な形式の1つなんでっすけど、パコ・デ・ルシアの主要なアルバムを振り返ってみまっすと、
1967年 “La fabulosa guitarra de Paco de Lucía(邦題:天才)”に“Gitanos Trianeros(邦題:トリアーナのジプシー)”
1969年 “Fantasía flamenca de Paco de Lucía(邦題:幻想)”に“Celosa(邦題:妬いてばかり)”
1972年 “El duende flamenco de Paco de Lucía(邦題:魂)”に“Cuando Canta el Gallo(邦題:雄鶏の鳴く時)”
1981年 “Castro Marín(邦題:カストロ・マリン)に“Herencia(邦題:エレンシア)”
1987年 “Siroco(邦題:シロコ~熱風)”に“Gloria al Niño Ricardo(邦題:ニーニョ・リカルドに捧げる)”
1998年 “Luzia(邦題:ルシア)”に“La Villa vieja(邦題:古い村)”
そして、冒頭音源の1976年にリリースされた中期の傑作、“Almoraima(邦題:アルモライマ)”に収録されている“Plaza Alta(邦題:小高い広場)”がございまっする。(※Bulería por Soleá、もしくはSoleá por buleríaは省く)
結構な数を録音しているんでっすよね。
中でも今回ご紹介する“小高い広場”は他のソレアと比べまっすと、1小節に詰め込む音数が多いファルセータがいくつか出てきまっす。
一番わかり易いのが冒頭音源の0:46~0:58辺りでっす。楽譜にしまっすと、こんな感じでっす。
特に6~7小節目はヤバいっすね。
また、この曲で衝撃的なのは途中でさり気なく、通常では全く関係のない形式である“グラナイーナス”のファルセータが挟まれちょるのよ。
音源でっすと1:35~1:42辺りでっす。楽譜にしまっすと、こんな感じでっす。
違和感なく溶け込んぢゃっているのが不思議・・・。
例のエゲレスはロンドンのスタジオライブの“ソレア”はアルバム・リリースの翌年の演奏でっすので、今回ご紹介したファルセータが弾かれちょりまっす。
是非、ご覧下され。



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